「あのつらかった痛みはどこへいったのかしら?」と思うほど身体が楽になりました。ほんとうに今は無事手術をしてくださった西島雄一郎先生と石井有希夫先生(石井病院・整形外科医)そして優しい看護婦さんたちに感謝の気持でいっぱいです。
腰痛を感じ始めたのは5年程前でしたが、年を追うごとに痛みが増し、今年(H14)の春先は坐骨神経痛のようなひどい痛みに悩まされ、「私の人生この先真っ暗」と陥っていました。すこし歩くと痛いので10メートル先にあるゴミ出し場にも行けなくなること度々。スーパーまで自転車で買物に行っても(自転車は比較的楽です)店内もまともに歩けず、何回もしゃがみ込んでは買物していました。お勝手仕事も椅子にかけながらの作業です。4月に長男の結婚式が東京で行われましたが、坐薬を使いながら何とか無事に終えたという状態でした。
ここ3年ばかりは地元の総合病院整形外科に通院し、MRI検査で椎間板ヘルニアと診断されてからは、内服薬と湿布薬で何とかしのいでいました。でも良くなる気配が無いので、近くの整骨院で電気治療を受けたり、昔ながらのモグサに火をつけるお灸を、背中からお尻にかけて毎日10個も娘からしてもらいました。近くの温泉にも何度か行きましたが、やはり痛みは増す一方。
通院している医師の進めにより、5月23日に4日間検査入院し、MRI・CT・脊髄造影の精密検査を受けました。そして「椎間板ヘルニアが相当進んでいるから手術しなければ治らない」と診断されましたが、迷いがあったので一旦退院することにしました。手術に関しては、周りの人たちから「良くならないよ、手術しても」「下手すると半身不随になって車椅子」などとマイナス面ばかり聞かされていましたので、自分自身どうしてよいか判断出来ない状態でした。家にある医学書を読んでも、完全によくなるとは明記してないので随分悩みました。
そんな折、名古屋に住む実家の甥が椎間板ヘルニアで手術をしたというニュースが飛び込み、執刀してくださった西島先生は日本でも指折りの名医で、失敗が無い先生と知らされました。「そうだ、名古屋に行ってその先生から手術してもらおう」と即座に決断しました。そして甥から先生がホームページを持っていることを聞き、その晩インターネットで夢中になって調べました。
検索した西島先生に関するページを全部プリントアウトし、夜遅くまで読み漁りました。先生の手術方法は従来のやり方と全く異なり、「レーザー手術」「顕微鏡下手術」など、安全性の高い最新式の手術方法が施されていることを知り、益々信頼感が湧いてきました。ところが「西島先生は6月30日で石塚病院を退職され、7月1日から伊勢崎市の石井病院に移られる」という文字を見つけ一瞬愕然。でもすぐに先生は石井病院へ一週間に一度外来診察に来ておられる事を知り、明日電話で確かめようと望みをつなげました。
翌朝8時半に石井病院に電話し西島先生の診察日を確認。「今日(月曜日)12時まで診察しています」と聞かされ、とっさに「今から行きますので、12時までの受付に間に合わなかったら、少し待っててください」とお願いしました。「とにかく行ってみよう」と、娘から長岡駅まで車で送ってもらい、発車ベルがなる階段を駆け上って、駅証明書を手に新幹線に飛び乗りました。席に着いたとたん腰の痛みがどっと押し寄せてきましたが、よくあの階段を駆け上がったものだと一人笑いしました。
検札時に切符を買い、伊勢崎までの行き方を尋ねて高崎で両毛線に乗り換え、無事伊勢崎駅に着きました。タクシーで石井病院着いたのは11時30分で、診察時間に見事セーフ。
診察に入るや否や「新幹線に飛び乗って先生に会いにきました」と言ったので、西島先生と看護婦さん(下山)から笑われてしまいました。西島先生はニコニコしながら「そう、名古屋の生まれ、中川区役所の近くだったら私がいた石塚病院の目と鼻の先だね。荒子? よく知ってるよ、住んでたから。きしめんが美味しいネ…」と楽しい会話が弾み、初めてお会いした先生とは思えない親近感があり、とっても嬉しく思いました。「来てよかった。この先生だったら大丈夫!」迷わず西島先生から手術していただこう決意し、一ヵ月後の7月16日に予約しました。(その後の経過は次頁をご覧ください)
一般的に患者は病院や医師に対しては受身で、なかなか自分の考えや行動を積極的に前に出すことができません。そろそろ患者も病院や医師を選べる時代やってきたのではないかと思い、今まで診察してくださった先生には申し訳ないと思いつつ、『自分の身体は自分で守らなくては』と気を強く持ち、信頼できる医師を選びました。手術していただいた翌日、トイレに一人で歩くことができ、今までの痛みが無くなったと知り「やっぱりここへ来てよかった!」と喜びを噛みしめました。
西島先生はドイツで医学を学ばれ、新しい手術方法で多くの患者の苦しみを和らぎ、励ましてくださっています。脊椎の病気で悩んでいる人たちに、私の体験談が少しでもお役に立てばと思い書かせていただきました。